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SAP HANAで提供されているサードパーティ製品によるバックアップ用のAPI、BackIntにAzure Backupが対応した(2019年5月現在Public Preview)ので試してみました。

Azure BackupはMicrosoft Azureで提供されているBackupサービスで、バックアップサーバーを立てたりストレージをあらかじめ準備したりしなくても仮想マシンのバックアップが取得できるものです。日次、週次、月次などの周期とそのタイミング、保管期間を指定しておけば、自動的にバックアップを取得、期間が過ぎればそれ以前のバックアップを削除、ということを自動で実行してくれます。バックアップ用のストレージ領域はバックアップ容量に応じて無限に利用でき、利用分だけ課金される仕組みです。

手順はこちらにドキュメント化されており、現時点での制限事項なども記載されています。

(日本語) https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/backup/backup-azure-sap-hana-database

(英語) https://docs.microsoft.com/en-us/azure/backup/backup-azure-sap-hana-database

 

【環境】

SLES 12 SP3

SAP HANA 2.0 SPS03

【事前準備】

HANAの稼働しているLinuxマシンに.NET Core Runtimeをインストールします。
sudo rpm -Uvh https://packages.microsoft.com/config/sles/12/packages-microsoft-prod.rpm

sudo zypper update
sudo zypper install dotnet-runtime-2.2

ODBCドライバもインストールします。
sudo zypper update
sudo zypper install unixODBC

まだサービスがPreviewなので、Previewに参加するひと手間が必要です。

前述のドキュメントにはポータルでもできると書かれているのですが、”Feature Name" が見つけられなくてうまくいかなかったので、ポータル上のクラウドシェルを使ってPowershellで実行しました。



赤枠のボタンをクリックすると、ポータルの下部にウィンドウが開きます。


PS Azure:\> Register-AzProviderFeature -FeatureName "HanaBackup" –ProviderNamespace Microsoft.RecoveryServices

少し時間がかかります。数分経っても”Registering”だったのでしばらく待って再開。
PS Azure:\> Get-AzProviderFeature -FeatureName "HanaBackup" –ProviderNamespace Microsoft.RecoveryServices

FeatureName ProviderName                        RegistrationState

-----------          ------------                                -----------------

HanaBackup   Microsoft.RecoveryServices Registered

Stateが”Registered"になったら、いよいよバックアップの設定が始められます。

 

【バックアップコンテナ作成】

ポータル上の「すべてのサービス」から「Recovery Serviceコンテナー」を選びます。



 

「追加」を押すと新規作成メニューが開きます。



作成するコンテナの名称、紐づけるサブスクリプション、作成先のリソースグループ、Azureのリージョンを入力します。

コンテナができるとデータベースバックアップの設定ができます。

 

【データベースバックアップの作成】



「バックアップ」を選ぶとバックアップ対象を選ぶ画面に遷移します。



SAP HANAを選んで「検出の開始」ボタンを押すと、まだ保護対象になっていないVMがリストされます。

ここでバックアップしたいHANAのインストールされたVMを選ぶのですが、

この注意書きの中にある ”thisスクリプト” をVM上で実行する必要があります。

"this" のリンクからダウンロードできるPythonスクリプトをHANAのサーバ上で実行します。

HANAのSIDが聞かれるので入力。

このスクリプトが実行されるとこの後の「データベースの検出」でサーバが検出されます。



(…途中から画面が英語ですみません)



対象のDBを選択したら、ポリシー(周期、実行時刻、保存期間)を設定します。



ポリシーを保存したらAzure ポータルでの設定は完了。

HANA Studioで設定状態を確認します。



BackIntを宛先とするバックアップ設定が入りました。

Azure Backup側で「今すぐバックアップ」を実行してみます。



実行結果確認。



Azureポータルでは復元ポイントが見えます (HANA Studioとは異なるタイミングで見ています)。



 

事前準備のところだけ少し落とし穴になりそうなポイントはありますが、その後はHANAに触れなくてもバックアップの設定・実行ができますので、HANA上でのバックアップ管理の手間を減らしたい、HANAのバックアップ領域がどれだけ要るのかを気にしたくない、という方はぜひお試しください。

 
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