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YuZhang
Product and Topic Expert
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本ブログシリーズはSAP Analytics CloudのPlanning機能をこれから学ぶ方を対象とし、予算計画などの一連の予算管理業務に必要なSAP Analytics Cloudのそれぞれの機能の特徴や要点をご紹介します。

※機能の詳細ついてはSAP Help Portalをご参照ください。

※ SAP Analytics Cloudは、四半期に1度のペースで製品のバージョンアップが実施されます。そのため今後のバージョンアップにより、本ブログで紹介する画面キャプチャや、操作が異なる可能性があることをご了承ください。(本ブログは2024年4月に作成しています。)

目次:

  • データロックの概要
  • データロックの設定
  • データロックAPI
  • データロックのスケジューリング
  • 終わり

データロックの概要

SAP Analytics Cloudにおけるデータロックは、計画プロセスの各段階において、特定のデータへの変更を防ぐために設計されています。他のデータセキュリティ機能(データアクセス制御など)が比較的に静的な対応に留まる中、データロックは動的で、計画サイクルのニーズに合わせて頻繁に更新されます。このような柔軟性が、財務の締めや予測フェーズなど、重要な時期のデータ整合性を保つことを可能にします。データがロックされた状態では、特別な権限を持たないユーザーは、データの直接入力やインポート、モデラの値の削除、その他の計画操作を通じて、ロックされた値を変更することができません。ただし、データロックはパブリックバージョンの削除を防ぐものではないため、その目的でデータアクセス制御を利用する必要があります。

さらに、SAP Analytics Cloudのデータロックがデータアクセス制御機能と異なるのは、ロック状態の制御権を他のユーザーに委任できる点です。この委任機能により、特定のユーザーが必要に応じてデータをロックまたはアンロックできる、分散型のデータ管理アプローチが実現します。これは、様々な時期に自らのデータを独立して管理する必要がある大企業の各部門やチームにとって特に有益です。

データロックの設定

前提条件

データロックを活用するためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • モデルの計画機能とデータロックの有効化:データロックの設定を開始する前に、モデル設定でデータロックを有効化する必要があります。
  • 適切なライセンスおよび権限の確保:データロックを設定するためには、ユーザーが付与されたライセンスおよび権限がそれを許可している必要があります。データロックを更新するには、Planning Standard、またはPlanning Professional のライセンスがユーザに必要です。また、権限に関して、実行するタスクによって、必要なデータロック権限、モデル権限、ディメンション権限が異なりますので、詳細は権限|SAP Help Portal をご参照ください。

設定方法

Step1.データロックの有効化
  1. 「モデラ」に移動し、該当のモデルを選択します。
    Picture1.png
  2. 「モデル推奨設定」を選択します。
    Picture2.png
  3. 「モデル推奨設定」ダイアログで、「アクセスとプライバシー」を選択します。「データのロック」の設定をオンにします。
    Picture3.png
Step2.データロックの設定
  1. 上述の通り「モデラ」に移動し、該当のモデルを選択します。
  2. 「データロックの設定」を選択し、「データロックの設定」ダイアログで設定を行います。
    Picture4.png
    下の設定例のように、データロックの管理軸とする次元は自由に変更が可能です。また、ディメンションを選択し、メンバーの組合せをグリッドレイアウトでロック、オープン、または制限付として設定できます。制限付はロックオーナーのみ変更可能という意味です。
    Picture5.png
    上図の設定により、データが変更不可となります。
    Picture6.png
Step3.データロックの所有権の委任
  1. 上述の通り「モデラ」に移動し、該当のモデルを選択します。
  2. 「データロックの設定」を選択します。
  3. 「決定ディメンションの編集」を選択します。
    Picture7.png
  4. 該当の決定ディメンションの所有権の有効化のチェックを入れます。(必要に応じて、担当ユーザーのコピーを有効化することも可能です。)「編集終了」を選択します。
    Picture8.png
  5. グリッドで該当のスライスを選択し、「選択されたスライスの所有者を選択する」ダイアログで所有者の変更を行います。
    Picture9.png
制限及び注意事項
  1. BPCモデルではデータロック及び関連APIはサポートされていません。BPCモデルを使用している場合は、データの編集を管理するための他の方法を検討してください。
  2. データロックを無効にすると、既存の全てのロックが解除されます。再度有効化すると、全てのメンバーがデフォルトのロック状態にリセットされます。一度リセットされると、モデルに対するロックの再設定が必要になります。データロックの有効/無効化の設定変更時には、この設定作業の手戻りが発生しないように注意する必要があります。

データロックAPI

SAP Analytics Cloudは、アナリティクスアプリケーションや最適化デザインエクスペリエンスのストーリー内でデータロックを管理するためのいくつかのAPIを提供しています。これには以下が含まれます:

  • Table.getPlanning().getDataLocking():データロックで計画モデルが有効になっているかどうかをチェックすることを可能にします。モデルでデータロックが有効になっていない場合は、エンドユーザーがテーブルに対して setState getState などの特定の操作を実行できないため、このチェックは必須です。
    サンプルコード:

 

var planning = Table_1.getPlanning();

//gets the DataLocking object of the table - if DataLocking is enabled on the model
console.log(planning.getDataLocking());
​

 

 

  • Table.getPlanning().getDataLocking().getState():テーブル内の特定のセルまたはセルのセットのロック状態を確認し、データが現在編集可能かロックされているかどうかのロックステータスの取得を可能にします。
    サンプルコード:

 

var selection = Table_1.getSelections()[0];

//get the state of the selection
Var selectionLockState =  Table_1.getPlanning().getDataLocking().getState(selection);
​

 

  • Table.getPlanning().getDataLocking().setState():アプリケーションが特定のセルまたはセル範囲のロック状態を設定し、不正な変更によるデータの変更を防ぐことを可能にします。
    サンプルコード:

 

var selection = Table_1.getSelections()[0];

//sets the selection to Locked
var isSetStateSuccessful =  Table_1.getPlanning().getDataLocking().setState(sel,  DataLockingState.Locked);
​

 

 

データロックのスケジューリング

SAP Analytics Cloudでデータロックタスクをスケジュール設定するには、特定の開始日または特定の開始条件に基づいて自動的に実行されるように設定できます。

スケジューリング設定方法

  1. 「カレンダ」で、「作成」からデータロックタスクを選択します。
    Picture10.png
  2. 要件に応じて、必要な設定を行います。
    Picture11.png

終わり

今回はデータロックのご紹介でした。SAP Analytics Cloudは他にも予算計画などの一連の予算管理業務に必要な機能を備えており、本ブログシリーズではそれぞれの機能の特徴や要点をご紹介しています。
こちらのリンクからご参照ください。

 

 

 

 

 

 

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